一般社団法人 軽金属学会

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エッセイ

大発見!

平成24年1月20日掲載

櫻井 佑介

富山大学工学部材料機能工学科4年

 

 この度、学会発表において優秀ポスター発表賞という栄誉ある賞を頂き、光栄の至りに存じます。学会長様はじめ皆様に御礼申し上げます。富山からの参加で、交通費と宿泊費、学会参加費、講演料で目いっぱいになりましたため、年末を生き抜くために懇親会参加費を心ならずも節約しましたことを最初にお詫びします。

 ポスター発表では多くの人と討論することができ、非常に勉強になりました。私にとって今回が初めての学会発表であり、さらに学部4年生で知識や経験もまだまだ発展途上でしたので、ポスター制作から発表まで何もかもが新鮮でした。事前に頭の中でしていたイメージトレーニングのように流暢にしゃべれるわけもなく、当日、発表が始まった直後は必死に図の説明をするのですが、アワアワしながら言葉には詰まり、ただただ出るのは冷や汗ばかりと、発表開始早々にして心が折れそうになっていました。しかしながら、聞いてくださった方々からは自分でも気づかなかったようなところをご指摘頂いたり、実験の具体的なアドバイスや励ましの言葉なども頂きました。何度も発表していくうちに自分でも「もっと明解に自分の発表を聞いてもらいたい!」という気持ちが沸き立ち、発表の仕方も自分なりにどんどん変えていき、90分では足りないくらいの充実した時間を過ごすことができました。今回の貴重な経験を生かしてさらに邁進していきたいと思います。

 話は変わりますが、先日、茨城のとある高校生が化学実験をした後に実験器具を片付けずに何日も放置した結果、試薬が予想しなかった新たな反応を示したというニュースがありました。このように思わぬ行動をとった結果として新たな発見をするという事象は科学の世界にはたくさんあるようで、2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんもそのお一人とのことで、「発明のきっかけ」はあくまで偶然の出来事だったと話されていました。

 私は小学校低学年くらいの頃に恐竜が大好きで、近所の畑に転がっている石ころを拾っては「恐竜の化石だ!」とはしゃぐように喜び、「か石ばこ(化石箱)」とマジックで書かれたお菓子の空き箱に大事に保管していました。もちろん恐竜の化石が近所の畑に転がっていることなどないわけで、親に「そんな石ころ捨てなさい」とよく叱られていましたが、もし、近所の畑を発掘調査の専門家が丹念に調査してみたら世間の常識に反して本物のティラノザウルスの化石が転がっているのかもしれません。「発見」はいつ、どこに、誰にあってもおかしくないのです。現在、私はMg-Zn合金の析出物の析出過程を基礎的に研究しているのですが、この合金の析出過程も諸説あり、予測を立てながら透過型電子顕微鏡を用いた調査を日々続けています。幼い頃の自分では「恐竜の化石」は発見できませんでしたが、今の自分なら誰もが予想だにしなかった世紀の大発見をすることができると信じています。幼い頃の夢を違う形ながらも果たすべく、日々研究に打ち込み、精進していきたいです。

 最後になりますが、このようなエッセイを書かせて頂く機会を与えてくださいました軽金属学会に御礼申し上げます。また、日頃よりご指導いただいている松田健二教授、川畑常眞助教、松田研究室の皆様には心から感謝いたします。

 
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