一般社団法人 軽金属学会

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エッセイ

最近の学生気質

平成22年3月1日掲載

仲井 清眞

愛媛大学 大学院
理工学研究科
物質生命工学専攻
教授

 
 自由奔放に育ってきた感じのする学生が多いこの頃です。思っていることは、歯に衣を着せずに言い、年長者に対しても友達感覚で話をする。喜怒哀楽を意外に容易に表に現す。決して悪いことではないと思います。年代差を感じる私ですが、就職のお世話をする立場(愛媛大学工学部就職担当委員長)にいると彼らの本音を聞く機会が多いのです。

 いざ、就職試験ということになると、意外と私に相談に来る学生が多いのに驚きます。両親の意見や勤務地のことを気にして、ふりまわされている場合が多いのです。「自分で何かしたいことはないのか?」あるいは「如何に企業・社会にて自分の「考えるという能力」を発揮したいのか?」など具体的かつ詳細に計画していない場合が多いのです。最初は、特定の企業の名前などに憧れをもち、実質をあまり良く理解していない状況で就職試験に臨む場合が多いのです。いわゆる「企業・社会(事業内容の詳細など)などに関する勉強不足」を補う必要性を説かねばならない状況が多々見られます。

 さらに、工学部(ものづくりを主体とする理科系)出身であるという自覚を持つように指導する必要性も感じています。私の周りの学生に関しては、実験などを通じて得られた結果から、基礎に基づいて物事を詳細に考える、いわゆる考察力(目に見えない部分を考える力)を養うように指導しています。さらに、考察されたものから新しい領域を開拓することの大切さも認識させるように尽力している次第です。

 学生は、将来の社会を支える重要な人材です。私にとって他人ではなく、息子や娘と同様の扱いをしてやろうという心境のこの頃です。
 
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