小山田記念賞
  
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 小山田記念賞 受賞技術一覧

 第39回小山田記念賞

受賞技術「大量生産車用アルミニウム部品低コスト化技術の開発」
受賞者  福地文亮  株式会社本田技術研究所
      林   登  株式会社本田技術研究所
      小川  努  株式会社本田技術研究所
      横山  鎮  ホンダエンジニアリング株式会社
      堀   出  ホンダエンジニアリング株式会社

表彰理由
 自動車には運動性能,操縦安定性等の商品性向上及び環境負荷低減としての燃費向上が常に求められており,車両重量低減は恒久的なニーズとなっている.この中で鉄鋼からアルミニウム合金への材料置換は軽量化効果が大きいがコストアップとなることにより,大量生産車への適用はなかなか進まないのが現状である.10月に発売予定の新型LEGENDには,新材料,新工法の開発によりアルミニウム部品の低コスト化を可能とし,適用部品の拡大を行った.主な開発技術は下記である.
 1. 連続鋳造板材料,高速超塑性成形技術,新接合技術(セルフピアスリベット)によるアルミクロージャーパネル類(フード,トランク,フェンダー)
 2. 高靭性ダイカスト用材料,高品質真空ダイカスト技術,熱間バルジ成形技術によるフロント及びリアサブフレーム
 3. ピーリングレス鍛造用連続鋳造棒材料を用いたサスペンションアーム(フロントロアアーム)
いずれの技術も低コスト化を達成するための技術であり,自動車部品への適用技術としては日本初あるいは世界初の技術である.
 高速超塑性成形技術は低コスト化のみならず鋼板でも表現できない複雑なデザイン表現をも可能とするものであり,デザインの要望からもニーズの高い技術である.また,サブフレームにおいては,部品統合化によるコスト低減を検討し,成形自由度の高い熱間バルジ成形技術で成形したパイプと高真空ダイカスト部品をミグ溶接により接合しており,従来のアルミサブフレームと比較して10%の重量軽減と20%のコスト低減を達成した.
本技術開発により,新型LEGENDにおけるアルミニウム合金の使用量は従来の量販乗用車と比較して1台あたり約80kg増加した.これらのアルミニウム部品生産のために,板材:500t/年,押出材:300t/年,鍛造材:650t/年,鋳造材:1400t/年の使用量を見込んでおり,アルミニウム産業への経済的効果も大きい.
 本技術開発は,画期的なものであり,今後の適用拡大も予測されている.また,産業界に及ぼす経済的効果も大きいことから,小山田記念賞を与えるにふさわしい技術であると判断する.